フレデリック ギターの“顔”は何?三原健司×赤頭隆児の音を分解
Amelia Brooks
Published Sep 01, 2026
“フレデリック ギター”を語るとき、鍵になるのは「誰が、どんな個体で、どう鳴らしているか」です。彼らの音は派手な技巧だけでなく、主役級のギター選びとスイッチングの作法に支えられています。ここでは三原健司(Vo/Lead)と赤頭隆児(Lead/Sub)の機材を起点に、サウンドの輪郭を読み解きます。
フレデリック ギターの要点は、三原健司がFender Telecaster Thinline SunburstやDuo‑Sonicを軸に、ライブとレコーディングをつなぐ“安定した芯”を作り、赤頭隆児がGibson Les Paul Gold TopやES‑335で重厚さを足すことです。さらに両者の役割分担が、リードとサブの質感差を生みます。
| 人物 | 主なギター | 用途(推定される役割) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 三原健司(Vo/リード) | Fender Telecaster Thinline Sunburst | ライブ/レコーディングのメイン | WIDEハムバッカー×2、メープル指板 |
| 三原健司(Vo/リード) | Fender Duo‑Sonic(Cherry Sunburst) | 過去のメイン、特定楽曲で活躍 | 軽快さと歯切れの良さが出しやすい |
| 赤頭隆児(リード/サブ) | Gibson Les Paul Gold Top | 主要ギター | 重心が低く、リードに厚みが出る |
| 赤頭隆児(リード/サブ) | Gibson ES‑335 | サブとしても採用 | 中域の存在感と可変域 |
| 両者のスイッチング | フェンダー系/ギブソン系を使い分け | 曲ごとに質感を切り替え | 役割分担でリードとサブの差を作る |
フレデリックの“ギターの顔”は、音源だけでは分からないことが多い。ライブで視線を奪うのは動きや表情。でも、同じ瞬間に観客の耳へ届くのは、ギターの設計思想とピックアップの鳴り方だ。三原健司のフェンダー寄りの選択と、赤頭隆児のギブソン寄りの選択は、役割分担として整理できる。
両者はどちらも複雑なことをしているように見えるのに、実際には“役割の違い”が音の整理を手伝っている。三原健司は主軸をフェンダー系に置きつつ、チューニングやエフェクトを組み合わせて多彩なサウンドへ寄せる。赤頭隆児はギブソンとフェンダーを使い分け、リードパートでは重厚感、サブパートでは軽やかさを狙う。これがフレデリック ギターを一度聞いただけで、なぜ“輪郭が立つ”のかの理由に近づく。
三原健司が主役にするFender Telecaster Thinline Sunburstの強み
まず出発点になるのが、三原健司のFender Telecaster Thinline Sunburstだ。WIDE ハムバッカー×2とメープル指板が並び、いわば「硬さ」と「鳴りの立ち上がり」を同居させる構成になっている。ライブ環境で重要なのは、音がバンドの中で埋もれないこと。ハムバッカーの安定感は、その条件を満たしやすい。
このモデルの面白さは、テレキャスターらしい輪郭の速さがありつつ、薄胴(Thinline)特有のニュアンスで“出過ぎない存在感”を作れる点にある。三原健司はこのギターをライブとレコーディングのメインとして使うことがあるとされ、サウンドの基準点をここに置けるのが大きい。つまり、曲が変わっても「この人の芯」は揺れにくい。
“リードが主旋律を運ぶ”ためのピッキングと音の設計
フレデリックのリードパートは、ボーカルの言葉の勢いと噛み合う必要がある。Telecaster Thinlineが得意とするのは、音が出た瞬間に方向性が見えることだ。バンド全体が高速に動いても、ギターが“後から来る音”にならない。メープル指板の明るさが、中域の情報量を保ちながら高域に抜けを付けやすい。
さらに三原健司は、フェンダー系を主軸にしつつ、サイドでチューニングやエフェクトを合わせて幅を作る。ここがポイントで、ギター単体で完結させるよりも「同じギターでも状態を変える」発想に寄っている。結果として、ライブの曲順が変わっても音色の整合性が崩れにくい。
三原健司のFender Duo‑Sonic(Cherry Sunburst)が見せる“軽さ”
もう一つ語られることが多いのが、Fender Duo‑Sonic(Cherry Sunburst)だ。過去のメインギターとして活躍し、MVなどでも使用される文脈がある。たとえば「オドループ」MVなどで挙がることが知られている。
Duo‑Sonicは、同じくフェンダーの系譜にありながら、Telecasterとは違う“反応の良さ”を持ちやすい。軽快に鳴る方向へ寄せられるため、テンポの速い場面や、リズムの隙間を埋めるようなギターの役割と相性が良い。重くしすぎないことで、歌とドラムの勢いを邪魔しない。
音が“前に出る”か“支える”か—楽曲の役割に合わせる
フレデリック ギターを理解するには、音色を「好き/嫌い」で終わらせないことが必要だ。たとえば同じハイテンションでも、曲の主導権がどこにあるかで求められるギターは変わる。Duo‑Sonicを選ぶ瞬間は、音を前に出すより“支える側”に回したいときと結びつきやすい。
三原健司がTelecasterで土台を固めつつ、Duo‑Sonicで質感のスイッチを押す。そう考えると、派手に聞こえる場面でも、実は配置がきれいに整えられているように思えてくる。
赤頭隆児が担うGibson Les Paul Gold Topの“重心”
対になるのが、赤頭隆児のGibson Les Paul Gold Topだ。主要ギターとして使用されるとされ、リードや印象的なフレーズの土台に厚みを足す役割が見えやすい。レスポールは、音の芯が太く、低域から中域にかけての“重心の落ち着き”が強みだ。バンドサウンドが厚くなるほど、その差がはっきりする。
フレデリックではギターが複数レイヤーに感じられる瞬間がある。そこにLes Paulの性格が関わっている可能性が高い。軽さだけでは出せない、ストレートな強さ。リードパートに重厚感が欲しいとき、ギターが一段深い場所から音を出してくれるからだ。
リードで“太く”することで、歌の輪郭が残る
重いギターは、ときにボーカルの言葉を飲み込む。だからこそ“重さの置き方”が要る。赤頭隆児は、リードパートで重厚感、サブパートで軽やかさ、という使い分けを行うとされる。つまり、Les Paulは「ここだけ濃くする」というスイッチとして機能しやすい。
この役割が決まっていると、三原健司側のフェンダーの明るさが、無駄に濁らない。結果として、音の情報量が増えても、聞き取りは維持される。
Gibson ES‑335で作る“中域の居場所”
赤頭隆児はサブギターとしてGibson ES‑335も採用するとされる。セミアコ系のES‑335は、中域の存在感をうまく保ちやすい。音が飛びすぎず、かといって引っ込みすぎない。つまり、複数パートが動くフレデリックの構造に合わせやすい。
ライブでは会場の鳴りが変わる。壁面反射や低域の膨らみで、同じ設定でも聞こえ方が変わる。ES‑335のような“居場所を作る系”は、そうした変化に対して崩れにくいことが多い。だからサブで使う意味がある。
サブでも“薄い”なら意味がない
サブパートは、目立たせないために必要なのではない。聞こえ方の役割を変えるためにある。軽やかさが必要な場面でも、単に高域だけを足してしまうと、リードの価値が下がる。ES‑335は中域を保ちながら軽さへ寄せる調整がしやすく、バランスの薄さを避ける方向に働く。
Fender Stratocasterを“隣の色”として使う発想
赤頭隆児はFender Stratocasterもサブ系や、シンセサイザー風の音作りに使用することがあるとされる。ストラトは、ピッキングのニュアンスが出やすく、高域や倍音の立ち方で“空気の質”を変えられる。ギター単体でシンセのような質感を狙うのは難しいが、少なくとも方向性の再現はできる。
フレデリックの音楽は、ギターが中心でありながら、音の質感は多層的に設計されている印象がある。そこでストラトが担うのは、リードや重厚感の代替ではなく、隣に置く色だ。リードが語る言葉の横で、音の温度を変える。
“ギターらしさ”の比率を調整する
シンセっぽさを目指すと、ギターのキャラクターが消えてしまうことがある。赤頭隆児の使い分けは、比率の管理だ。ギブソン系で土台を固め、ストラト系で輪郭を軽くし、必要ならエフェクト側でさらに整える。こうした設計だと、ギターが主役であることを保ったまま、音の変化だけを増やせる。
フレデリック ギターの“スイッチ”はチューニングと役割分担にある
ここまで機材を挙げてきたが、最終的に重要なのはスイッチの作法だ。三原健司はフェンダー系を主軸に、サイドでチューニングやエフェクトを組み合わせて多彩なサウンドを作り出す。赤頭隆児はギブソンとフェンダーを使い分け、リードパートでは重厚感、サブパートでは軽やかさを演出する。
この二段構えが効く。ギターの選択は音色の土台を決める。チューニングやエフェクトは、その土台に“その日の天気”を反映させる。さらに役割分担が、音同士がぶつかるのを防ぐ。結果として、フレデリック ギターは、同じバンドの同じ編成なのに、曲ごとに表情が増えるように聞こえる。
見逃されがちなポイント:リードとサブの“質感差”
多くの人がギターの違いを、音量や音の太さで判断する。しかし本質は質感差にある。リード側の密度と、サブ側の空気感。Les PaulやES‑335が“密度”を担当し、TelecasterやStratocasterが“輪郭”や“空気”を担当する。その差が保たれる限り、速い曲でも聴き疲れしにくい。
そしてこれは、ライブという現場でこそ意味が出る。調整しながらも破綻しない構造があるから、観客の耳は置いていかれない。
機材選びから見える“フレデリックらしさ”——音は設計で鳴る
フレデリックのギターは、偶然の好みだけで成立していない。三原健司はTelecaster Thinline Sunburstでメインの基準点を持ち、過去のメインとしてDuo‑Sonic(Cherry Sunburst)も挙がる。赤頭隆児はLes Paul Gold Topで重心を作り、ES‑335で中域の居場所を補い、必要に応じてStratocasterをシンセっぽい質感のために使う。
派手さはパフォーマンスから来る。けれど、説得力は機材の選